UX戦略フォーラム 2015 fall「メトリクスの探求」に参加した感想など

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これについて。

テーマは「メトリクス」ということでUXを「測る」ということについて7人の豪華スピーカーが2日間に渡り講演を行いました。

keynoteスピーカーはMeasuringUという会社の代表を務めるJeff Sauro氏。アメリカコロラド州からのゲストでした。

 

諸事あり途中途中しか聞けなかった中でも、特に印象に残ったこと箇条書き。

  • 計測の基本的な流れをおさらい<仮説立てる→計測の方法(テスト内容)を決める→計測の対象者とタスクを決める→変更前を測る→変更する→変更後を測る>
  • 計測といってもGAやユーザビリティテストの手法だけ知っていればよいのではない。適切なサンプルサイズ、データとデータの関連性の理解など、専門性を高めて考えないといけないことがいっぱい。ちゃんと考えないとデータのmisunderstandingが起こってしまう。
  • マーケティングの世界でも、伝統的に「ブランディング」といわれていたが一方的な理造像を魅せてついてこいっではなく「顧客ロイヤリティ向上」という考え方へ進化し、NPSという指標が出てきたことでそれらが計測/数値管理できるように変化。
  • 従来の顧客満足度では、満足度は測れるがまたその商品を買ってくれるか?ということは測ることができない。(例えば、車はいくら満足度が高くても同じ人が再度買うリピーター率は高いわけではないので、利益予測がたてられない)
  • NPSとSUSは「行動」ではなく「態度」を測れることで計測に新たな側面をもたらしたのが熱い(というのをようやく理解)。行動はGAなどで測れる実際の結果。態度は行動に影響をもたらすので、態度を測ることによってどのような行動(=利益にもつながる)が起こるのかを予測することができる。未来を測れる指標であるのがまたすごい。
  • CS (Customer Satisfaction) からCRM (Customer Relationship Managaement)からCEM (Customer Experience Managament) へ。CSは点としての顧客課題や不満を解決して、満足度を高めるという視点。CRMは顧客との関係性を管理。購買データを元にしていかに長い間顧客でいてもらうか、単価を高めるかという視点。CEMは顧客の体験を管理。顧客の声を聞き、継続的に顧客の主観的評価を高めるという視点。(NPS/SUSが経営の重点指標へ)
  • USではもうUXを重要視して向き合うことは利益につながることが証明されているので、あらゆる企業で当たり前の仕事の仕方になっている。だから取り組み自体を上司に説得しないといけないんです、みたいなことはもう起こらない。

 

前職の時からから「計測」はずっと課題にあがっていて、手をつけないとなと思いながらも腰が重かった分野。でもビジネス成長には避けては通れない計測。

USの状況を聞いてみたら、ウェブやアプリケーションでUXに関わる職種として大きく2分化していて、UXデザイナーというモノの完成に関わる設計やビジュアルデザインの系統の人と、UXアナリストというリサーチや計測や分析系統の人となっているみたい。いま日本はデータアナリストはいるけど、UX観点でチーム組んで一緒にコラボレーションしてっていうのはまだ盛んじゃないかな?という想像。

組織の「オーケストレーション」という話題が出ていたけども、正にオーケストラのようにいろんな才能を奏でて一つのハーモニーを生み出すようなチームづくりが必要。オーケストレーションという言葉、好きです。

 

最後に、わたし含めたデザイナーからUXに入っていって、計測やんないとなーって人におすすめっぽいのがJeffの入門者向けの本。(英語しか出てないのだけども。)

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あと、マーケティング観点でのUX語られるとこうなるのか!という刺激を受けた本。

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