Lean UX Circle での2年間の活動を振り返って
2014年5月から参加した"Lean UX Circle"内で結成したチームでの活動について、去る4月6日に成果報告会を終えて、一区切りついたので、その活動について軽く振り返りたいと思います。
Lean UX Circleとは、
書籍『Lean UX』を起点に、日本でLean UX を実践・普及させる活動
(※Lean UX Circle公式Facebookグループより抜粋)
で、2014年5月に活動が始まった社会人サークルです。
初期は講義っぽく誰かが前に出て喋る、ということもありましたが、途中からはサークル員の自主性を重んじ、探求テーマごとのチームに分かれて活動を行い、定期/不定期の全体会合の場で進捗をシェアするというスタイルでした。
私のチームの名前は「進む!UX」チーム。「UXにある程度取り組んできて出てきた課題感を解決して、一歩前に進めたい」という思いからつけたチーム名です。株式会社コンセント佐藤 史さんリーダーの元、株式会社メディアチャンネル 末吉正成さん、トランスコスモス株式会社 村本浩二さん、株式会社ロフトワーク 藤野さん、私、に2015年4月からヤフー株式会社 栗秋宏徳さん、株式会社インテック 藤井達也さん、フリーの吹上花菜子さんを加え総勢8人のチームで約2年間活動しました。
進むUXチームで取り組んだこと
チーム発足当初、共通に持っていた課題としてあったのが、ユーザー調査をして、きちんとファクトを整理して、ユーザーについてわかるようになっても、出てきたアウトプットが期待したほど飛躍しないということがありました。
特に受託でやっていたメンバーとして強く感じたのが、アウトプットに反映されないのであれば、いくらユーザー調査をしても、UXに関わる一連の活動の効果が薄いものになってしまうということです。
クライアントが評価するのも、ユーザーが評価するのも最終アウトプットです。集めたファクト、作ったペルソナ、カスタマージャーニーを元にして、飛躍したアウトプットを出すにはどのようにすればよいか。このことについてチームで考えてきました。
アイデア発想手法を実践・整理する
そこで行ったのが世の中にある「アイデア発想手法」と呼ばれるものの実践、整理です。これまで各自の社内などで行われた「ブレスト」を進化させるべく、書籍に載っているアイデア手法をチーム内で試して、その結果を元に自分たちが使いやすいように整理していきました。
例えば、「放射A4法」「ブレインライティング」「シックスハット法」「ボディストーミング」など。
1〜2ヶ月に1回ほどチームで集まり、手法を1〜2つ試し、その結果を振り返りGoogleスプレッドシートにまとめて資産にしていきました。
アウトプット
その1:アイデア発想手法を組み合わせたワークショッププログラム
アイデア発想手法をいくつか試す中で、「これはこういう用途に向いている」というのが体感でわかるようになりました。
それを整理して、プロジェクトのフローに再構築して、発散⇒発展⇒検証の流れを2.5時間のワークショップ形式にしました。
各アイデア発想手法のやり方を手元に持ちながら人を集めれば、アイデアをたくさん出して、最後に絞って検証してという流れを簡単に行うことが出来ます。
その2:アイデア発想手法のレファレンス(プロトタイプ)
これまで書籍等で閲覧できたものを、スマホでささっと見られるようにし、デジタルならではの検索性を兼ね備えたアイデア発想手法のレファレンスアプリを考え、そのプロトタイプをprottで作りました。
得られた成果
チームで整理した、この活動による成果です。
- プロジェクトのフローの中でどのアイデア手法を使えばよいのかが整理できた。
- 本で読むよりも実感として、どのタイミングで使うのかが腑に落ちた。
- Leanの文脈では、短い時間だからこそ活用できるアイデア手法を発見できた。
- 実際の仕事でも、提案でちょっとアイデアもある時とか、アイデアを評価する時に活用できている。
感想・気付き
チームでまとめた感想・気付きです。
- フレームワークでアイデアを出すことによって、これまで行っていたブレストよりも効率的でかつ質の高いアイデアが出せた気がする。また、声の大きな人にひっぱられない(上司など)
- 手法を用いる際には、課題設定、テーマ設定がけっこう大事という気付き。何に対して議論するのかを揃えないと手法が良くても精度の高いアイデアを出すのは難しい。ファシリテーションの訓練が求められる。
成果報告会で話した内容はSlideshareにアップしました。
以上です。
成果報告会の後の飲み会で「大人のUX語り場」的なゆるい集まりが欲しいね〜という話で盛り上がったので、何かできたらいいなと思います( ー`дー´)